本・漫画

February 05, 2010

好きなキン肉マンのキャラクター

飲みに行った帰り、始発待ちのカフェでキン肉マンの話で友達と盛り上がったことがある。
主なネタはあるあるネタや設定が変だなって思ったネタとか。

「改心して正義超人になった悪行超人は数あれども、 いつのまにかグレて悪行超人になった正義超人はペンタゴンしかいないよね」

「ステカセキング最強説(なんで出身地がベルギー?日本のほうがいいのに)」

「マッスルタッグマッチ(ファミコンソフト)ではブロッケンJrを禁止にしたよね」

深夜の頭がボーっとした時間帯なのでささいなネタでも大爆笑して、始発までの時間があっという間に過ぎていった。

このときはお笑いネタ的な感じで楽しんだけど、それもキン肉マンの魅力のひとつ!
大人になっても、というか大人になったからこそ楽しめる一面もあるキン肉マンは偉大な漫画だなぁと思う。

もちろん子供の頃は熱いバトルに夢中になっていた。

僕が一番好きな超人はウォーズマン。
悲哀を感じるという面ではジェロニモも捨てがたいけど、存在感も相まってやっぱり彼が一番お気に入り超人だ。

最初は冷徹非情の悪役として登場したけど、話が進むにつれて彼がなぜそうなっていったかをキン肉マンとの死闘を経て明らかになる。その展開に僕はだんだんと彼に惹かれていった。
最後に雷の光に照らされた彼の素顔を見たときは、ショックと共になんともいえない悲哀を幼心なりに感じたものだった。

同じ思いをした同世代は多く、ウォーズマンが一番好きな、思い入れがある超人だという人は多いと思う。
あと彼の必殺技パロ・スペシャルをかけたりかけられたりして半泣きになった人も多いとはず!(パロ・スペシャル禁止令が出た学校があったとか!)



そんな懐かしいキン肉マンがメディコス・エンタテイメント社の「超像可動」シリーズで初登場。
第1弾はウォーズマンの師匠である「ロビンマスク」。

「超像可動」シリーズは、手足・胴体の細部の稼働にまでこだわったフィギュア。その動かせる範囲は感動的なほどで、ロビンマスクの場合、もちろん彼の必殺技タワーブリッジのポーズも自然な感じで決まる!

ファミマ・ドット・コムサイトでは、2月4日より別注カラーVer.を限定発売。
ロビンマスクフィギュアの生産数は、限定3,000体となり、売り切れ次第終了となるので、ぜひお早目のチェックを!

また付属品としてマッスルリングがついてるので、今後シリーズ化されるキャラクターと併せて、名シーン・自分が好きなシーンを再現してみては!?

超像可動「キン肉マン」のサイトはこちら(PC・モバイル共通)
ファミマ・ドット・コム

更に!非売品があたるチャンスも!?


January 26, 2010

自宅湯治中に読書

最近、自宅湯治をやっている。
自宅湯治については気が向いた時に書く予定。

一日2〜3回入るのだけれども、体を洗うのは基本的に1回だけで、あとは湯に入ってぼ〜っとする。

もともとカラスの行水タイプの僕は長風呂を楽しむ習慣はない。
ぼ〜っとするのも退屈なので、本でも読んでみようかと思った。

そこで手にしたのはトルストイの戦争と平和。
湯にいる時間が長いので長い本がいいと思って。
しかしやっぱり人物が多い本は向いてない。湯治中はぼ〜っとするので相関関係がややこしい本などはやめておいたほうがいいな。

読みなれた本の再読やエッセイなど軽い本がいい。

今日読んだ本は大槻ケンヂの「神菜、頭をよくしてあげよう」。

大槻ケンヂのエッセイとの出会いは予備校で現代文の先生が文章題として出したものがきっかけ。
当時の僕の大槻氏の認識は、高木ブーやカレーなどへんてこな歌を歌うへんてこなロッカーだったので、なぜ現代文の練習問題にとりあげるか謎だった。

しかし実際読んでみると、氏の文章はミュージシャンで詩人らしくテンポがよく読みやすい。
それに現代文の問題になるくらい構成がしっかりしている。
さらに氏の豊富な読書量と幅広い興味にもとづいたさまざまな世界を知ることができる。
もちろんユニークな視点で読んでてくすくす笑顔になることも多い。

予備校で大槻ケンヂのエッセイを読んで以来、通学、通勤、旅行など、ちょっとした読み物を読みたいときに氏の本を手に取るようになった。

氏はエッセイを書き始めて長いので最近はテーマがかぶることもあるが、文科系
ロッカーとして長年ミュージックシーンを眺めてきて、その結果つむぎだされる文章は、氏の洞察力もあいまってなかなか深みのあるエッセイを読ませてくれる。

「神菜、頭をよくしてあげよう」では、池田貴族さん、中島らもさん、元チェッカーズの高杢さんについての話題がよかった。
特にチェッカーズ解散についての洞察はユニークな展開にオチも良く、大槻ケンヂらしい文章だなぁっと湯船の中で深く感嘆の息を吐いた。
パニック障害についての話題もあります。


神菜、頭をよくしてあげよう (角川文庫)
神菜、頭をよくしてあげよう (角川文庫)
おすすめ平均
starsその多さが、才能
stars人生の教科書
stars恋愛下手ののほほん上手
stars少女よ、好きなかっこうをするがいい
stars泣けます

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December 05, 2006

センスが狂いそうだ センスが暴れそうだ

廻る廻る世界が廻るーーー!!

ってBUCK-TICKの「神風」という曲の歌詞です。


そして、昨日の夜、僕のセンスが狂いそうに、そして暴れそうになりました。


なぜかというと、「サマーさん」のポエムを読んだから!!


サマーさんは普通の女子高生なのですが、自分のためだけに小学生高学年から詩を書いていました。

それを弟(ルイーゼ)に発見されて、2ちゃんねるにその詩を弟が姉に断りなしにUPしたことによって非常に話題になりました。


サマーさんの詩のセンスは超非凡です。

かわいいし、語感や語呂がいいし、メルヘンだし、たまにブラックだし…
まれに駄洒落もあります(笑)
特にタイトルからだんだん離れていく内容と、最後の2行がすごいセンス!


ここで、僕の好きな詩を少し紹介。
(というかサマーさんの詩は全部好きかも)


【ワーグナー】

お父さんはクラシックが好きです
でも「ワーグナー」のことを
「ワーグメー」と
言ったのです!!
お父さんはうそつき?
でも・・・好きだよ!
本当は「ワーグナー」だよ
ワーグナーだからねー



【ヨーデル】

ヨーデルヨーデル!!
恋しちゃってる?!
ヨーデルヨーデル!!
愛しちゃってる?!
勉強しろ!!



【このまえ】

このまえ死にたくなっちゃった
めだかが死んじゃったんだもん
でも私は生きます
生きて メダカを養殖します



【愛】
ラブ・・・v

アイアイアイアイ暴走中!
とめらんないよ 超特急!!
乗りたい? だめー
フツーにだめー




【先生】

先生は
オウムの時危なかったんだって!!!
あと少し
電車に乗るのおそかったら・・・
デス・・・
ありがとう神様
自然よ・・・森の息吹よ・・・おしゃか様よ・・・



【さみしい】

部屋でうずくまって
体育すわりをする
すごい部屋が広く感じる
さみしい
泣きまねの練習をするなんて
くだらない女の子に
なるなんて
思わなかったなぁ
さみしい
私、なにものでもない
私 どうすればいいんだろう




紹介しだすとキリガナイ……




2ちゃんねるでの弟の書き込みとそれにレスを書いた人のまとめサイトを見たのだけれども、3時間一気に読んでしまいました!!

思春期の女の子の思いが非凡なセンスで綴られていて、かわいいやらおもしろいやらで、かなり爆笑しながら読んでいました。
(吹きだしてしまうのでビールが飲めなかった(笑))



「笑いがありつつも心に残る」というニュータイプの現代詩だと思います!!
しかも、本人は自分のために詩を書いて、人に見せることを前提に書いていないので、本当に天然です。
人を笑わそうと本人は思って詩を書いてないけど、笑わすことができるのがすごい!
この詩を世に知らしめた弟(ルイーゼ)に感謝です♪



あまりにおもしろいので、講談社からサマーさんの詩集が発売されることになりました。

http://moura.jp/liter/neechan/



僕はサマーさんの大ファンになったので詩集は買うと思うのですが、2ちゃんのまとめサイトもおもしろいです。
よけいなレスはカットされているから、2ちゃんねる内での盛り上がりが伝わるし、サマーさんの詩に対して愛のあるツッコミを入れている人もいるし、スレッド全体にストーリー性もあって、最後は母やサマーさん本人も登場して家族愛の物語も堪能できます。

暇な方はこちらも読むことをお勧めします!

姉ちゃんの自作詩集発見した

ポエマー姉 @ wiki



このシンガー板尾やうすた京介を越えるセンス+家族愛やラブ&ピースな気持ちを体験したかったら、ぜひサマーさんの詩集、「姉ちゃんの詩集」を買いましょう!!

ホットな冬を過ごせると思います!!

12月20日発売予定。
1000円で192ページのボリュームでかなりおトクです♪
未発表の詩やサマーさんが作った童話も含まれています。


僕はアマゾンで予約しました☆







November 14, 2006

サーフサイドハイスクール(未完)

サーフサイドハイスクール
















作者:澤井 健

出版社 / 著者からの内容紹介
登場人物/阿部浩也(ロン毛のサーファー。女好き) 永島康平(おとなしい高校生。夢は漁師) 三田みちる(虚弱体質の転校生。口は達者)
あらすじ/海に隣接する高校「辻ヶ崎 SEASIDE HIGH-SCHOOL」の高校生阿部はいつも通りサーフィンをしていると、そこに海を眺める永島の姿があった。ある事件から永島と仲良くなりたかった阿部は永島にサーフィンをすすめる。そしてこの学校に転校生として三田がやってくる。都会育ちの三田はクラスメイトの色の黒さ、そして何より永島の天然アフロに驚く。仲間を求めていた三田はおとなしい永島に近寄り仲良くなるが、それを見た阿部はどうも納得していない。この学校ではサーフィンをしていないとかっこ悪い、そんな理由で三田はサーフィンを始めようとするが、寒がりで体が細く、髪形を気にし、あげくのはてに冬の太陽に灼かれて全身火ぶくれで39度の熱を出してしまう。さて三田はサーファーになれるのか?その後、容姿、性格共に全然違うこの3人はだんだん仲良くなり毎日一緒に過ごすようになる。この3人の周りでは毎日いろいろなこと起こってしまう。さて明日は何が起こるのだろうか?

(Amazon.co.jpの商品説明より)



※この作品はサーフポイント近くの高校生の日常をギャグタッチで描く青春&友情ストーリーだと僕は思っています。
サーフィンをしている高校生の日常がリアルだし、そこに都会育ちの三田が加わることによってそれを際立たせています。

僕はそんなにギャグ自体は凄くおもしろいと思わなかったけど、この作品のギャグが好きな人もたくさんいますね!
まあ、ギャグ作品としてはそこそこおもしろいと思います。

それより、作者の人間観察眼が作品の随所に見られて、そこが僕は好きです。
「人間」が非常によく描けている!!

僕の一番好きなキャラクターは阿部ちゃんです。
彼は女にはゆるいけど、友情には熱い!
しかもサーフィンの腕は一流!
彼はアホだけど、サーフ哲学みたいなのを持っています。

「サーフィンは上手い下手で差別するもんじゃないだろ!?」
↑阿部ちゃんの名言です。
サーフィンに限らず、何かが上達したら初心者や下手な人を見下す人も多いけど、彼は違う。
僕もサーフィンが上達しても阿部ちゃんのように初心者にやさしい人でありたいと思います。

後は彼が女性に対して本気というか、真の愛を感じられるようになると完璧なんだけどなぁ…。
モテる高校生男子は女性に対してこんな感じなのかもしれないんだろうけど…。
それを気付かせてくれるのがミホちゃんかもしれない。
だけど、阿部ちゃんの成長を知るのは作者のみです。


というのも、
この作品は未完なのです。

事実上ストーリー未完のまま終了している状態です。
しかし、単行本の最終話とそれにつながるストーリーが非常に良く、心地よい爽やかさと「これからどうなるの〜!?」っていう感じがブレンドされた終わりかたをしています。

本音は続きを読みたいけど、このまま余韻を残したまま完結してもいいんじゃないかな?


サーフィンをしている人・していた人・これから始めたい人はもちろん、サーフィンに興味ない人でも楽しめる漫画だと思います!!

隠れた名作ですよ〜!!
(ちょいエロありです)



July 26, 2006

ノルウェイの森再読の感想(かなりネタバレ)

『ノルウェイの森』(ノルウェイのもり)は、村上春樹の長編小説。1987年9月、講談社から書き下ろされ、後に講談社文庫にて上下巻で文庫化された。

装丁を村上春樹自身が手がけ、帯に「100パーセントの恋愛小説です」と書かれた赤と緑の表紙は話題となった。単行本の発行部数は、上巻が238万部、下巻が211万部の計449万部。上巻は、片山恭一の『世界の中心で、愛をさけぶ』に抜かれるまで、日本における小説単行本の発行部数歴代1位であった。しかし、『世界の中心で、愛をさけぶ』が映画化やドラマ化などの他のメディアによる相乗効果の結果としてベストセラーになったのに対して、この作品はそういう相乗効果とは無縁であったもののベストセラーとなったのは驚異的ですらある。

(引用:ウィキペディア







ここからはネタバレ、性的な感想が含まれているので、続きにしています。
まだ作品を読んでいない人、性的な文章を読みたくない人は読まないで下さい。


続きを読む

July 21, 2006

風の歌を聴け再読の感想

港
















「風の歌を聴け」
というタイトルは、僕を2重に気持ちを上げてくれる。

1994年。僕が大学1回生だったころ、村上春樹の処女作の「風の歌を聴け」、それから、オリジナルラブの傑作アルバムの「風の歌を聴け」の両方を楽しんでいたからだ。

特に夏になると小説のほうも、アルバムのほうも楽しみたくなる。
あれから12年もたっているのに。

昨日は小説のほうの「風の歌を聴け」を読みました。
読み慣れたもので、これくらいのページ数ならすぐに読めてしまう。

村上春樹著の「風の歌を聴け」は、特に際立ったストーリーの起伏はない。
1970年の夏休みに帰省した大学生が過ごした18日間を軸に、いろいろなエピソードが断片的に集まった物語である。
熱心なハルキストの中には、その18日間に謎が隠れているなどの深読みをしているけど、まあ、それはいいとして、単純に1970年の夏的な世界観を楽しめばいいと思う。

他の村上作品は読むごとにいろんな再発見をしているけど、この小説に限っては気分や雰囲気を味わうことを目的に読んでいる。
大学生の時に感じた新鮮な感覚が蘇ってきて、切ない余韻とともに不思議な心地よさが読後感にあらわれてくる。
ビールが好きな人はビールが飲みたくなるだろうし、読み終わったあとはプールに行きたくなるだろう。

そして!
この小説を読むと夏の港で女の子とデートしたくなる!!
僕は、ヒロインがフランス語会話の学校帰りに主人公とデートするくだりがたまらなく好きだ。
135ページを読むと、無性に夏の香りを感じたくなる。


一方、オリジナルラブの「風の歌を聴け」だけど、これはまた次回に書く予定にしたいです。
12年も毎年夏に聞きたくなるくらいいいアルバムなので、ちゃんと書いてみたい。
ちなみに田島貴男は、村上春樹の「風の歌を聴け」は関係ないとは言っていたけど、実際はどうなんだろう?








July 09, 2006

ねじまき鳥クロニクル再読の感想(ややネタバレ注意)

今日、再読していた「ねじまき鳥クロニクル」を読み終えました。


今、無職中で、SSRIの影響から倦怠感に襲われているので、読書するにはうってつけの状態です。

というわけで、重厚で難解な「ねじまき鳥クロニクル」を味わうように、細部にも注意を払って読み返していました。

それでも集中して読んだから、4日で読めたんだけどね。


前回の記事でも書いたけど、僕は「ねじまき鳥クロニクル」を何度も再読しています。

その時々によって読み方(楽しみ方)は違っていて、時には作品内の副エピソードを楽しんだり、魅力的な登場人物に注目した読み方をしたり、いろんな楽しみ方をしています。

今回は腰を据えて読める環境だったので、物語の核心である「何か」に注目して読んでみました。


この小説のテーマの一つである「暴力」については、僕なりに32年間生きてきて、何度か経験しています。
理不尽で、不可解な暴力もいくつか見てきました。

僕自身は喧嘩を好まず、人との折衝を避けているにも関わらず、理不尽な暴力にさらされた経験もしてきました。

その経験を照らし合わせて、この作品のテーマである「(暴力を生む)何か」「(人の生命の中核にある)何か」を考えながら読み進めていきました。

まあ、毎度のことで、謎がすべて理解できた訳ではないけど、あれはこういうことだったんだなぁとか、この物語(「ねじまき鳥クロニクル」には複数の小エピソードが含まれている)はこういうことに繋がっているんだなっていうのが、より理解できたような気がします。

作品にもでてきたように、
「ここでは細部が重要な意味を持つ」
ということに注意を払って読み進めていきました。


これも毎度のことで、「ねじまき鳥クロニクル」限らず他の村上作品でもそうだけど、世界観にハマるためか、登場人物がビールを飲めば、僕もビールを飲むし、ウイスキーを飲むとそれを飲みたくなるし、煙草を吸うと僕も吸ってみたりします。
サンドイッチを作ったり、パスタを茹でたり、クラシックを聞いたりもしました。
今回も大変楽しい読書体験ができたと思います。


主人公が心の深い場所のレベルで人を愛し、その深層心理の底にある繋がりに入り込み(それはファンタジーであるが、ありえないことはない気がする)、愛するもののために戦うことってかなり素敵なことだと感じます。
そのために主人公は数奇で奇妙な経験をし、かなりの苦労をするわけだけど。
僕も人として生まれてきたからには、そのような深層心理のレベルで愛しあうことができる人と出会いたいとも思います。

主人公は愛する妻のために戦い、その結果いろんな人を救うことになる。
その過程でいろんなものを背負うことになった。
しかし、3部の主要登場人物であるシナモンもいろいろな人々の背負っている何かを吸収していて、彼自身のそのはけ口は明らかになっていない。
彼が構築している「ねじまき鳥クロニクル」という物語が彼のはけ口になっているのだろうか?
そして、ナツメグのしている仕事は、ゆくゆくは彼に引き継がれるのだろうか?
シナモンは物語では口がきけない事意外は完璧な人間として描かれているが、その完璧さゆえ、今回の再読では、ある意味彼が一番重い宿命を背負っているような気がしました。

いつかシナモンの後日談も読んでみたいと思うけど、まあ村上春樹氏は書かないだろうなぁ…




July 08, 2006

「ねじまき鳥クロニクル」との出会い

この時期になると、ふと村上春樹著の「ねじまき鳥クロニクル」を読みたくなります。
今も再読している最中です。
(かれこれ8回以上は再読しているかも)

今回の記事では、その小説との出会いを書いて見たいと思います。



1994年4月。
僕は大学に入学したてだった。
必要な教科書を買いに大学生協の書店に立ち寄ると、分厚い2種類のハードカバーの本が格子柄に並べて積み上げられていたのが目に付いた。

その印象深いディスプレイに引き寄せられて、その本の見てみると、
「ねじまき鳥クロニクル」
という不思議なタイトルの小説だった。

その時は特に分厚い小説を読む気分でもなかったし、そもそも僕はあまり小説は読まず、雑誌や漫画ばかりよむような青年だったので、そのままその場を立ち去った。

僕の大学は地方から入学してくる人も多く、同じクラスでできた友達の家に行く機会が多かった。
なんとなく立ち寄る場合もあったし、夜遅くまで飲んで下宿している友達の家に泊めてもらうこともよくあった。

その友達たちの家には「ねじまき鳥クロニクル」が置いてある確率が高く、僕以外の友達同士は、お互いにその小説をどれくらい読み進めているか、その内容の感想は、など「ねじまき鳥クロニクル」の話題が溢れていた。
その会話の中には、エロい、残酷、奥が深い、難解、だけど面白いなどのキーワードが飛び交っていた。

僕はそのキーワードにも魅かれたけど、僕が漫画やテレビを見る感覚で、エンターテイメントとして文学を楽しんでいる友達たちが眩しく写った。

僕は雑誌や漫画はよく読んでいたけど、小説はあまり読まない青年だった。
とくに文学はほとんど読まなかった。
その時、世間の同世代の人達は、僕が思っている以上に文学に親しんでいることに軽いショックを受けたような気がする。

そこで、僕は「ねじまき鳥クロニクル」を買って読むことにした。

村上春樹初心者、しかも村上作品の中でも難解で知られる「ねじまき鳥クロニクル」であったが、僕は吸い込まれるようにその作品の世界にハマっていった。

もちろん文学を読み慣れていない僕には、意味は全然分からなかった。
しかし、村上春樹の極上の文体と世界観は僕を夢中にさせた。

「ねじまき鳥クロニクル」は1994年当時は1部と2部だけしか発売されなかった。
2部まで読み進めてみても、謎が謎のまま残されて作品は終了していた。
続き(3部)があることは、この時誰も知らなかった。
村上春樹の昔からのファンは訳知り顔で、
「この作品はこれでおしまいだよ。村上春樹の小説ではよくあることだから」
なんてことを言っていた。
(後で分かったことだけど、「ねじまき鳥クロニクル」は第2部で終了予定だったらしい」

僕は納得できなくて、何回もその重厚な2冊を何度となく再読した。
そこに隠れている(暗示されている)謎に迫ろうとしていた。
そして「ここで終了するはずがない」と自分に言い聞かせた。

ねじまき鳥クロニクルの解説書まで買った。
その解説書は(今から見るとかなり的外れなことを書いていたが)、続きが出ることを予言していて、僕を安心させてくれた。

僕はその時期、文学的な渇望状態になっていたのだと思う。
その飢えを癒すように、1994年の夏は、それまで発売されている村上春樹の小説を片っ端から読破していった。
(今ではその作品たちも、僕の中では大事な青春の一部になっている)

そして、「ねじまき鳥クロニクル」は2部で終了する作品でないことは、なんとなく感じた。

ある日、とある雑誌に「ねじまき鳥クロニクル」の第3部が執筆中だという情報が載っているのを発見した。


1995年8月、待望の「ねじまき鳥クロニクル」第3部が発売された。
期待通り、いや期待以上に第3部も面白い作品であった。
しかし、作品にオチはあったものの、若くて文学慣れ(村上作品慣れ)していない僕にとって、「ねじまき鳥クロニクル」は難解で、謎に満ちた作品であることには変わりがなかった。

それ以降、僕の身になにかあるごとに、そして夏がくるごとに何回も「ねじまき鳥クロニクル」を読み返すことになった。

僕は2回ほど大失恋をしているのだけど、そんな時に「ねじまき鳥クロニクル」(その他の村上作品)を読むと、僕の魂に響き、その切ない余韻は僕の心を不思議に癒した。

その後、僕はだんだん大人になり、何回も再読するにつれて、「ねじまき鳥クロニクル」に書かれている謎に少しだけ近づいたような気がする。
もちろん、僕はこの作品を十分に理解できる人間ではないけれど。



というわけで、僕は村上春樹ファンになり、「ねじまき鳥クロニクル」をはじめ、他の村上作品を愛するようになりました。




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