June 14, 2017

ショック体験

2016年5月23日のショック体験はほぼ確実に薬物だろう。

自分の病気はどこか不自然に感じていた。
それでも、おかしかった睡眠リズムを整えて、引きこもった生活から抜け出せたならなんらかの活路は見いだせるのではないかと思っていた。

2015年10月から本格的に昼型の生活に変えようと努力してみた。
外出する機会を多くして、太陽の出ている時間帯に体温をあげるように調整してきた。

とはいえ、外であまりご飯が食べられなくなった自分は半日外へ出かけられたらいいほうで、それ以外は部屋に篭ってゲームなんかをやっていた。

ある夜に、とあるゲームアプリをしていると、そのゲームと同じBGMやSEが部屋のコンセントから聞こえてきた。

「ここにも電線通していいっすか?」

嬉しそうな顔はまだ忘れない。

おそらく催眠状態になりそうだったのだろう。そのゲームアプリの不思議な夢を見た。

ある人にそのゲームアプリの名前を出すと、だんだんドン引きしていった顔は忘れない。

中毒性の高いゲームだと前情報で聞いていた。
果たしてゲームアプリだけでこんな催眠状態になるだろうか?どんだけドハマりしていても。

2016年はそのゲームアプリを始めてから露骨におかしなことが立て続けに起こるようになった。

あまりにも不自然かつ過剰な環境の変化を感じたので、ショック体験の前日にゲームアプリを誘ったやつと辞めようかと話していた。
辞めようと決意した日に、それでも気になってアプリを起動すると、かなり高速でアイテムがばら撒かれたり、戦闘風景の画面が目まぐるしく変わっていった。

その後、あまり眠れなかったし日頃のストレスがひどかったのでビールを買いにいった。
スマホにLINEのアプリを開いても残らない通知がきた。当時たまにくるやつだ。その時はまるで自分がこれからコンビニにビールを買いに行くことを知っているような内容のメッセが飛んできた。
「買いだめしに走ってる…」
LINEアプリを開いても誰からの連絡はない。

帰っていよいよなにかが始まるなと思いながらビールを飲んだ。
ビールを飲み終わったときにその時習慣になっていた「家の水道水」を飲みに行った。
母が、ちょっと行ってくるね、とどこかへすれ違うように出ていった。
水道水を飲んだ瞬間にアレがきそうな気配がした。
頭に「断酒薬、それでいこか!」という声が木霊する。

その後、急激に変化しそうな体調に頭はパニックになり、朝6時くらいだと言うのに思い当たる節がありそうな人に電話した。
一人には通じて、一人は拒否された。

「俺たち友達やんな!」
「俺はそのアプリをやっていてもいいやんな!」


「いざというときに助けてくれる?」
「ほんまにヤバイときはもちろん」

リフレインする。

この体調の変化を誰かに通話しようとLINEのアプリを立ち上げたら、友達一覧のムードメッセ?のほとんどが、ぶっコロ助とかI can't control youなどと前日とはまったく違ったものに変わっていた。

電話したり、スマホやパソコンがどんどんおかしくなるのを慌てて操作したりしていると、だんだんアレの気配が濃くなってきた。
このとき感じたのはハッキングされるのは自分のセキュリティの甘さだけではない、なにか大きな動きがあるんじゃないかという予感だった。
それでも自分の罪の意識は他人のせいにはできなかった。



アレとはショック体験と自分は呼んでいる。
この日は水道水を飲んでから20分ころから腸がぎゅっと縮む感覚、ふくらはぎ、首、僧帽筋、歯茎が腫れ上がる感覚、それでいて気絶してしまいたい意識とは逆に頭の中はキラキラと光っていて、自分の苦しいところが浮き彫りにはっきりと意識してしまう状態。息はプシューっというような呼吸の仕方で、布団の上で普段はとらない仰向けに寝転びながら何時間も過ごした。
これは自然に起こることなんだろうか?

いつの間にか意識は失っていた。
覚醒したのは明け方の4時前くらいだったと思う。そして起きても一人だった。
朦朧とした頭と体で暗い家の中を点検したら、台所の電灯に照らされた炊飯器のカピカピの米に虫がたかっていた。
今年はそんな虫は沸いていない。
外に出ると隣の建物の正面に高級そうな車が停まっていた。遮光ガラスで中が見れないようになっているステーションワゴン。この車はこの日以来数日この場所に夕方くらいから停まっていた。

それからの事は覚えていない。
昼くらいにようやく布団を出ようという気分になって一階に行くと、猫が犬のようにピンと背筋を立ててテーブルの上に座っていて、前日の朝からいなかった母が得意そうな顔をして立っていた。
しんどそうな俺の顔を見て、

「かわいそうやな!」

と意地悪そうな顔で言ってきた。
不自然な猫と嬉しそうに衰弱した俺をそういったふうに歓迎してくれた。

内心どこのカルトからこんな方法を学んだんやと思った。
それは未だに続いている。

かわいそうやなと言われたあと、外へ出てゲームアプリをアンインストールした。
スマホ通知バーに例のLINEメッセ風が
「できてるできてる」
と通知してきた。






ms0618sph at 19:50│Comments(0)TrackBack(0)

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